カテゴリ:サーメル野生児週間( 7 )

サーメル大ぴんち。

実は、アミールが生まれる直前くらいから
サーメルは私をとても拒否し始めていました。
日本に出る頃には近寄ろうものなら
ものすごく攻撃をしてきて、とても穏やかに「行ってきます」とは
いえない状態だったのです。

私が日本にいる間にその攻撃性はどんどん増してきたと
聞いていたので、サーメルに会うのはちょっと憂鬱でした。

帰って来てサーメルに会うと、
ものすごーく警戒した顔つきで近づいてきて
ふがふが匂いを嗅いで、「誰だお前っ」とばかりに
警戒音を出されました。
でも、職人さんやお客さんに見せるような警戒とは
ちょっとちがうので、どうやらなんとなく
私のことは脳のひだにひっかかっていたようで、
関係をとりもどしつつあります。

息子も生まれ、自分が群れのリーダーとなった今、
守るべきものができたところで、
その役割を果たそうとしているんじゃないかというのが
私たちの見解。
なので、サーメルが離れているところでダマーニを呼び、
ダマーニが私に近づいてこようとすると、
すごい勢いで走ってきて私を追い払おうとします。
すっかり群れの蚊帳の外状態な私。かなしい。
まーでもサーメル父ちゃんも、家族に頼りにされて
がんばってんだなーとそう思うことにしました。


なんですが、ここ数日、ちょっとおかしなことが起こっています。
ダマーニ母ちゃんの機嫌がすこぶる悪く、
サーメルのことが気に入らなくってやたらつっかかるのです。

今までは3匹仲睦まじくやっていたのに、
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サーメルが近寄ろうものなら
ものすごい勢いでダマーニが攻撃するのです。本気で。
サーメルは一応防衛体制になるんですが、
反撃もできず尻込みしっぱなし。
アミールとダマーニはぴったりいつも一緒。
というわけで、お父ちゃんはすっかりのけ者。
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ダマーニと息子アミールはべったり。
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実はこのダマーニの不機嫌が始まったその日、
アミールが怪我をしました。
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怪我が心配な母ダマーニ。
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怪我の原因も場所も特定できていないんですが、
もしやサーメル、かぁちゃんに叱られるようなこと、
なにかやったのか?
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by hanamomoact | 2007-06-07 15:03 | サーメル野生児週間

月もの。

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予定ではそろそろやってきます。
ダマーニのお尻しか見えなくなる
サーメルさん野生児週間。
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というわけで、最近発見したお役立ち品(サッカーで使うプロテクター)

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サーメル野生児ピークの時は
脛、膝、腿のフル装備。
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これをしてから、ちょっとやそっとじゃ
へこたれない私に、
サーメルの中でこうだった私の立場が
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こうなった感があります。
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ーどうあがいても、下位だってことには
変わりはないんですケドも。

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by hanamomoact | 2006-09-06 00:37 | サーメル野生児週間

続覚え書き最終章とエピローグ:「オカエリ、オカエリ」

7月17日。サーメルが明らかにおかしいと思い始めてから7日目。
この日は久々とても気持ちのいい朝でした。
ほどよいゆっくりした冷たい空気が流れて空も澄んでいます。
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朝私が起きられなかったため、
相方さまがわんこの散歩を済まして帰って来ました。
その気配を感じても、それでもまだ起き上がれません。
相方さまは仕事に行く前に職人さんと家について相談があり、
今日は私がサーメルたちを庭に出すはずだったため、
とても気持ちが重かったのです。
起きて朝支度をし、アイロンがけをし、さてやることもなくなったのに
外に出る気持ちになかなかなれません。外はどんどん明るくなっていくので、
いいかげんサーメルたちの所にいかなくては。。と
気持ちも足もとても重いまま外に出ました。

相方さまは職人さんとの話を早めに切り上げて
既にサーメルたちと庭にいました。
囲いの外を歩く私に気がついた相方さまが、私にサーメルの名前を呼べと
言います。

きっと職人さんだと尚更興奮するので、とりあえず私だとサーメルに
わからせるためなのかと思い、
「やっぱり今日もおかしいのか・・」と中に入るのが億劫で躊躇しました。
すると相方さまが
「大丈夫だから」と言うのです。

声をかけながらドアを開けた私を、ちょっと離れたところにいたサーメルが
ちらっと見ましたが、あまり気にならない様子で草を食べ続けます。
しばらく離れたところから二人で二匹の様子を窺っていると
サーメルがまだ幼い木の葉を食べ始めてしまいました。
前日のように遠くからサンダルを投げて脅かします。しかし無反応で
葉を食べ続けるサーメル。仕方なく恐る恐る「サーメル、ダメだよ」と
近寄る相方さま。
と、以前のように、じっと相方さまの顔をみると
「は~い」とでも言うようにして、そろそろっと離れていくのです。

その前にも投げたサンダルを回収するため、庭を相方さまはあちこち
歩いたのですが、とくに向かってくる様子もありません。

ダマーニの好物を持って、ダマーニを呼んでみます。
また離れたところにいるサーメルが勢いよく走ってくるんじゃないかと
警戒したのですが、まったく無関心で草を食べています。
サーメルも好きなので、相方さまはサーメルも試しに呼んでみます。
と、ちょっと警戒したような歩き方ではありましたが、
ゆっくり近くまで来て、一緒に食べるのです。
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食べたあとは、そっと離れていきます。
近くに来たダマーニをみると、以前のように尻尾を下におろして
貞操を守るが如くぴったりとお尻を隠していました。

相方さまにサーメルに近づいてみるように言われるのですが、
体がどうしても動きません。サーメルがたとえ向かってきたとしても
角をつかめばいいことなので、怪我をするかもという恐怖はないのですが、
どうしてもサーメルに近寄れないのです。これには自分で自分が
びっくりでした。
もう一つ、せっかく落ち着いた状態なのでこの関係を慌てて
壊したりくないという思いもあり、その時はサーメルに近寄らずに
終わりました。

職人さんから朝食が届きます。
様子がおかしくなる前までは、サーメルはその朝食のパンを庭で
一緒に食べていました。この日、試しに庭で朝食をとってみることにします。
と、職人さんから朝食をうけとるためにドアまで歩いていく相方さまを
以前のように、ゆっくり追いかけていきます。
ドアの外に出た相方さまを、これまた以前のようにドアのところで
待っています。
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ちょっと頭でつつこうとする様子もあったのですが、
威嚇したような態度をとった相方さまをみて、元に戻ります。

まだ完全に前のサーメルではありません。しかも
昨日の夕方の今朝、そう簡単に安心できない気持ちもありますが、
絶対的に何かが変わってきているのは確かでした。

相方さまの出勤時間が近づいたので、以前のように
「ほーむ、ほ~む」と声をかけて囲いに連れて行きます。
先に歩く私達。昨日だったら間違いなく、相方さまや私に突進していたはず。
しかし以前のように待って~と追うように、
サーメルとダマーニが後から囲いに入ってきました。
昨日はダマーニが行くところにサーメルが追っていったのですが、
今日は従来のように、まずサーメルが私たちを追い、ダマーニが
サーメルを追います。
サーメルたちの囲いの一部は畑になっていて、狭い場所があるのですが、
そこにようやく2人と2匹が揃いました。
たった数日だったのに、とても久しぶりに感じます。

と、サーメルがゆっくり私に近づいてきます。
動かずに立っていると、あちこち匂いを嗅ぎ始めました。
辛抱強くじっとしていると、後ろ足で立ち上がり
私に手をかけて届くところすべての匂いを嗅ぐのです。
こんなことは初めてでした。
ちょっと緊張しながら、サーメルの体と耳元にチュっとやります。
やっとサーメルが帰って来た。じわ~っと体中にその気持ちが広がって、
こんどはうれしくてほろほろ泣けてしまいました。

しばらく見ていた私たちと遊びたくなったサーメルは、
頭をごりごり私たちにぶつけます。
攻撃とはまったく違う、遊びたくてしかたがない
甘えたときのサーメルです。

出かけ間際に相方さまが「もう大丈夫だと思うな」といいます。
確かに様子からして元にもどりつつあるので
私もそういう気持ちにはなっていましたが、
相方さまにはひとつの大きな根拠がありました。

朝、サーメルを庭に出したとき、以前私たちを呼んだときのように
「ブィ」と鳴いたというのです。
確かに、豹変してから昨日までまったくその声を聞きませんでした。
大きな変化です。
ただ歩き方も目も、まだどこか緊張しているような
そんな様子もみられたので、慌てないことにし、この日
職人さんの行き来が激しい昼間は庭に出すのをやめました。


お昼過ぎ、覗きにいってみることにします。
足音が近づいているのを聞いて、緊張して立ち上がったと
みえるサーメルがいました。
あまり急激には近寄らず、ちょっと間を置いたくらいのところに
じっと座ってみます。ちょうど日が当たるところでとても暑かったのですが
仕方ありません。
すると、サーメルがゆっくり近寄ってきてまた私の匂いを嗅ぎます。
お客さんが来たりすると、そろ~っと近寄って匂いを嗅いだりするのですが、
まるで私が誰なのかを確認するようでした。
その時、サーメルがなんだか妙に私の匂いを嗅ぐなぁと思ったのが、
ちょうど幼児ガエリが終わったと思った日からだったと気がつきます。
その頃から、私の存在にちょっと混乱していたんでしょうか。

匂いを嗅ぎ終わると少し離れて毛づくろいを始めます。
そのサーメルに敢えて後ろから近寄って、チュッと体にやってみます。
お互い緊張気味ではありましたが、明らかに目つきが
穏やかなサーメルに戻っていました。
と、びっくりしたことが起こります。

サーメルが突然「ブィ」っというのです。
うれしくて、なんども「サーメル、サーメル」と呼んでみます。
すると、それに合わせて大きな声で「ブィーブィー」と鳴き始めました。
あの、幼児ガエリしたときに私たち、特に相方さまを捜して呼ぶ鳴き声でした。
まるでなにかつかえていたものが取れたように、
私のサーメルを呼ぶ声に合わせて大きな声で何度も鳴くのです。
嬉しくて嬉しくて、はぁ~あああと自分でもよくわからない謎の声が
思わずこぼれます。この瞬間を相方さまと分かち合えないのがとても残念でした。

昼間のできごとでもう大丈夫だろうと思いながら、おかしかった間も、
いい時とそうでない時とが交互に突然やってきた為、
半信半疑の「半信」の部分がちょっと「半疑」を上回る・・といった
ところでしたが、夕方にはその残っていた「疑」の気持ちもすっかりなくなり
100%私たちの知っているサーメルにもどったと確信しました。
相方さまが見えなくなると、ブぃーと呼びます、
後ろを歩いていても警戒して振り向くようなこともありません、
傍まで来て草を食べます。目つきは完全に違います。
以前の穏やかなサーメルの目です。
うれしくてうれしくて、相方さまも私もしつこいほどに抱擁します。
「オカエリ~」と右の頬に相方さまが、左の頬に私が、サーメルの
顔を挟むようにしてブチュッとします。
以前のように、溶けそうな顔をするサーメル。
相方さまが嬉しそうに「オカエリ、オカエリ」と繰り返し声をかけます。
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       写真を撮るため無理やり連れてこられて迷惑そうなサーメル。


こうして我が家の「1週間の積み木崩し」は幕を閉じました。
この話には「うちの子に限って!」と題打ちたいと序章に書きましたが、
こうして全てを振り返ってみると、題名は
「やっぱりうちの子だった!でもうちの子もやっぱり野生動物だった!」と
なりましょうか。

たった1週間だったことが信じられず、
なんだかとても長い間夢をみていたような不思議な気持ちです。
今ではワンコたちの匂いがたっぷりついた服を着て傍に寄っても
ちょっと匂いを嗅ぐ程度でさして気にする様子はありません。
職人さんが行ったり来たりしても、気にとめることも少なくなりました。
もちろん私のライオンの膝当てを見てもなんの反応もありません。
「それはダメー」と近づけば、ちょっとぐずったりすることもありますが、
素直にそこから離れていきます。
書いていませんでしたが、様子が変わり始めてからはサーメルと遊ぶことも
止めていました。最終的には遊ぶなんてとんでもないというところまで
いきましたが、その前は落ち着いている様子の時は遊びたいしぐさを見せることも
あったのです。けれど、遊んでいると興奮状態になるのでしばらく止めておきました。
それも解禁。早朝や夕方には相方さまや私と遊んで、
嬉しそうに(私たちも)駆け回っています。遊んで興奮して走っても
私たちの前にくると、ぴょんぴょんと左右に跳ねるだけで
突っ込んでくることはありません。

先日遠くにいるサーメルを呼ぶと、すごい勢いで走ってきました。
あの15メートルの距離を一直線に私に向かって疾走してきた、あの時と
同じスピードです。
でもちっとも怖くありません。明らかに顔つきが違うのです。
目の前まで走ってくると、スピードを落とし座って待っている私にゆっくり
近づいてきます。

あの反抗期の子供みたいだなと思った、木の花をとるのを手伝われるのを
鬱陶しがったおかしな様子もすっかりなくなりました。
今では過保護はさらに過剰になり、時には上のほうにある花に届くようにと
抱っこしたりします。
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これが本ガゼルもまんざらでないようで、
今がチャンスとばかりにすごい勢いで花を食べ、
飽きると、ちょっと足を動かして降りたいと意思表示します。
ま、過保護といいますか、おもしろくってついやっちゃうんですが。

あの突然おさまった幼児ガエリはどうなったのかと言いますと
すっかりダマーニに興味を失ったサーメルは、また相方さまにべったりとなりました。
ちょっと姿が見えないとブぃーブぃー、あげくは、ばあぁぁあっと大鳴きです。
ことに反抗期(?)を終えて2週間ほどは、以前よりその度合いが強くなりました。
私が相方さまの名前を呼びます、と一緒にサーメルも鳴くのです。
「相方さま~」「ばぁぁぁあ」
「相方さ・・」「ばぁぁぁぁああ」といった具合。
おもしろいので、サーメルをからかって、
相方さまが傍にいないのを承知で呼ぶので、あんまりからかうな~と
相方さまにたしなめられたりしてますが。
携帯電話をスピーカにして、相方さまの声をサーメルに聞こえるように
話してみたのですが、もう大変です。
隣に来て、ばーばーばーの繰り返し。

それから少し嬉しい変化もありました。
サーメルが私を捜してよく鳴くようになったのです。
今までもそんなこともありましたが、「ブィ」と軽く呼ぶ程度。
ここ最近は、時にとても大きな声で鳴いて私を捜すこともあります。
庭に後から入ってくる私をみつけて嬉しそうに近づいて
じーっと見上げたりすることもあります。この時の目が
たまらなくかわいい。こういうのなんていうんでしょう、
・・・雨降って地固まる?

「私の知ったことじゃありゃしません」の顔をしていながら、
実は結果事の元凶(?)だったダマーニですが、どういうわけか
この皆があたふたしている1週間に、とても私たちに近くなりました。
サーメルで頭を痛めている間、どれだけダマーニに癒されたことか。
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ようやく冷静になって今回のことを振り返えってみると、
きっとこういうことだったんじゃないかと思うのです。

ダマーニの変化だったのか、サーメルの変化だったのか、
人間や犬など知っている限りの哺乳類の生態を考えれば、
ダマーニが繁殖期に入ったと考えるのが普通だと思いますが、
まぁとにかく繁殖期が来ていたー

そのダマーニの変化をいち早く察したのがサーメルで、
野生動物の本能で、ダマーニを独り占めするため
他を寄せ付けない準備を始めていたー

その頃職人さんへ無性に敵対心を出すようになり、
次に私にもそれが向けられ、
最終的に一番ピーク時には相方さまも近寄らせなかったー

おそらくふたりきりになった後、もしくは私たちが見たあのときに
何かが起こったと思われ、
妊娠が確実に成立するためにはある程度時間が必要で、
他の邪魔がはいらないためにダマーニを守る必要があり、
あの夕方ダマーニにぴったりマークとなり、頑として私たちをダマーニに
近寄らせなかったー

その時間がすぎたので、次の日にはサーメルは完全に
元に戻ったー

こんな風にして考えてみると、
色々なことがようやくしっくり納得できるのです。



エピローグ

で、肝心なダマーニさんはサーメルさんとの子供を宿ったのかどうかという話。
こんな苦労(?)をしたのですから、そこがおーいに気になるところなんですが。

余談ですが、らくだはほぼ100%飼いらくだ。野生はいないとされています。
大概飼われている大人らくだは、雄雌別の囲いにいれられます。
そして時期を見て繁殖させるのです。
では、どうやって妊娠したとわかるのか。

雄を連れて来てことが終わってから約10日ほどして、
また雄を連れてきます。このときは、ただ雌の間を雄を連れて歩くだけ。
そうすると、それに気がついて「あら~だんな、今日はどうしたんですの~?」と
近寄ってきたらくださんや、それを遠巻きに見ていた雌らくださんたちの
しっぽが、きゅきゅーっとあがります。その尻尾はさそりが攻撃のために
尾(?)を上げた姿に似ているのですが、それが見られたらくださんは
「ご懐妊~」というわけ。なんとなく、お尻丸出しで尻尾を上げると
誘っているようで、反対の意味に思えるんですが。

それでも、時に「周りに乗せられちゃった」とか(?)、
なんとなくその気になったとか(?)さまざまな理由で、
妊娠していないのに尻尾があがることもあるので、
これを何回か繰り返してみて確認するのです。
遊牧民ベドウィンの発見が今も引き継がれています。

さて、ダマーニさんの話にもどりますが、
こうしたものが見られるのかどうか、なにせ何事も初めてのことですので、
ちっともわかりません。相変わらず試行錯誤。
ちょっといつもと違う様子を見るたびに「妊娠か??」と
浮き足立つ私たちですが、どうやら2世はまだのようだというのが結論。
2世ができちゃったらできちゃったで、そりゃそりゃまた大変だということは、
よーくわかってはいるのですが、でもやっぱり楽しみな私たちです。
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4回に分けて書いてきた覚え書きですが、これらは先月7月のお話。
というわけで、たらたら更新しているうちに1ヶ月たってしまい、
きっちり8月10日、また野生児の血を大発揮しはじめたサーメルさん。
先月に色々学んでもう大丈夫と意気込んでいた私たちですが、これがまた
今度は先月よりもちょっと長めだったり、また様子が微妙に違ったりで
未だ時に「お脳に問題?」「人間から離れていくお年頃?」説が
浮上することも。そんなわけで、あたふたおたおたしながらも
相も変わらず愛は変わらず毎日をすごしておりますが、
そのあたふたおたおたぶりは、また機会がありましたら、その折に。

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ー完ー
by hanamomoact | 2006-08-24 16:22 | サーメル野生児週間

続覚え書き第3章:「俺の女に近づくんじゃねぇ」

7月16日サーメルが豹変してからちょうど一週間目のこの日の夕方、
相方さまが先にサーメルたちを庭に出しました。
私は他の用事を済ませていたのですが、その間に私の昼間の期待とは反し、
大変なことになっていたのです。
庭に出すまではとりあえず何事もなかったものの、
やはり近寄れない雰囲気に少し離れたところにいたそうですが、
なんのきっかけもなく、いきなり遠くからサーメルが相方さまに向けて
疾走してきたというのです。目が違ったのでサンダルを投げて威嚇し止めたとか。
幼い木の葉を食べているのをやめさせようとサーメルに向かって歩けば
勢いよく向かってくる、ならばと、背を向けて、離れたところにいこうと動くと
向かってくる・・と、どうしようもない状態になっていたのです。

そんなこととは知らずに、お昼の様子から警戒心も薄れ
私はドアを開けて庭の囲いに入ったのですが、入ったと同時に
遠くにいたサーメルが急に振り返って猛突進してきました。
幸い相方さまが傍にいて、サンダルを目の前に投げてサーメルを
止めましたが、体中ぴりぴりして攻撃的な様子がよくわかります。

こうなると、私に対してと相方さまに対しての態度に
まったく差はなく、誰も彼もが敵といった様子なのです。
仕方がなく遠く離れたところでじっと動かないようにします。
幼い木の葉を食べようと近づいた時には、遠くから相方さまがサンダルを投げて
脅かしました。でも絶対に声はださず叱ったりせず、名前も呼んだりせずに
サンダルを無言で投げます。
もしかしたら、サンダルが飛んでくる=私たちの声=恐怖と
なってしまうのではないかと考えたのです。

朝のように、ダマーニの匂いを頻繁に嗅いで追いかけて立ち上がる
ということはなくなりました。なのですが、ダマーニの行く先々ぴったり
くっついて離れません。こんなことは初めてです。
サーメルの行くところ行くところへ、ひとりになるのが不安なダマーニが
くっついていく・・ということはありましたが、まるでストーカーか、
お姫様にくっつく騎士(ナイト)か、といったように
ダマーニが移動するたびそれについて自分も移動、少し距離をもって
ダマーニの傍で草を食べるサーメル。
そのダマーニは、相変わらず尻尾があがったままで、お尻が砂で汚れていました。
つまりお尻がなにかの理由で濡れていたということになります。

サーメルが用足しを始めました。昨日はそのときを狙って
近寄って触ったこともあり、同じようにしてみるよう相方さまに言われます。
私がちょっと「恐る恐る」といった様子だったのもまずかったのだと
思いますが、用足しも途中で切り上げてくるっと振り返って攻撃態勢になるので、
近くにいくのをあきらめました。

また、ダマーニの好物をあげようとダマーニを呼びます。
ダマーニが嬉しそうに私に近寄ってきます。
と、サーメルがものすごい勢いで走ってきて、ダマーニを追い越し、
ダマーニを守るように私に突進してくるのです。
一瞬放心状態になった私は、近くにいた相方さまに守られたのですが、
まるでダマーニ姫・騎士サーメルvsはなもも姫・騎士相方さま構図、
(その例えはどうかとの相方さまによる横槍はこの際無視で。)
にらみ合いのようになりました。
唯一ダマーニだけが何事なのか理解できず、「私はいったいそれを
食べられるのかしらん?」と私の手にある好物が気になって仕方がない
顔をしていましたが。こんな緊迫した場面に癒しのダマーニ。

暗くなってきて、食べ物で誘って囲いの中に入れはしましたが、
私だけでなく相方さまも近くにはとても寄れず、
もしサーメルが攻撃してきたとしても、勢いがつきにくい砂丘の上に
座って、食事をするサーメルとダマーニを眺めました。
家に戻るときは私が先にゆっくり立ち、すぐに囲いの外に出るため塀を
乗り越えます。それを確認して、相方さまが今度ゆっくり立ちあがります。
まったく、その私たちの様子といえば、
「サファリで用足しの為不用意に車を降りたら思わずライオンに会っちゃった
丸腰の観光客」か、「家の納戸を開けたら熊が腰掛けて箱を開けてりんごを
食べているのに出くわしちゃった住人」(忘れられない随分前のニュース)。
恐る恐る「敵に背中はみせず」の歩き方で二人、その場を離れました。


サーメルが臍の緒を付けたまま我が家に連れてこられてから
約1年と8ヶ月になります。
この日7月16日は、初めてお休みのキスをしなかった、といいますか
正確には「できなかった」夜となりました。
唯一キスできなかった夜となるのか、
それともこれを境に二度とサーメルに触れることができないのか。。

サーメルの豹変が、子作りシーズンによる一時的なものかどうか
全く予測がつきません。
もしかしたらこれが相方さまのお友達の言う「大人になったら人間と離れていく」
その時なのかも知れないという可能性も残ったままです。
今更、ガゼル、サーメルと一緒に寝たり遊んだり散歩することが
当たり前になっていた生活が不思議に思えてきました。
もしかしてもう二度とあんな時間はこないかもしれないのか。。と、
なんだか信じられない気持ちのままこの日、
今まで撮りためた写真やビデオを夜遅くまで見続けました。
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@有坂家Mマンさん撮影

次回へ続く・・。
by hanamomoact | 2006-08-17 18:17 | サーメル野生児週間

マイペースではございますが、                 続覚え書き第2章:「急展開」

7月16日。
この日は、日に日に変わっていくおかしなサーメルの様子に、
さらに輪がかかっていきます。

朝、近づきやすい用足しの最中、ゆっくり近づいて体にチュッとしてみます。
平常に見え攻撃してくる様子はないのですが、
ややよそよそしく常に私たちを警戒しているのがわかります。
食欲がないようで、うろうろと落ち着かずあまり食べません。
そのうち木を角でがりがり始めたサーメルに、相方さまはやはり
「サーメル、だめ!」と大きな声を出して叱ります。
しかしこの日、それは以前のように効くことはなく、
サーメルを更に興奮させるだけとなりました。
そこでなかなか合意にいたらなかった育児方針は、
「あまり刺激をせずに、穏やかな関係を保つようにしてみよう」
ということでようやく固まります。

さて問題は、いったいこの先どうなってしまうのかということです。
このままサーメルは離れていってしまうのか、
以前のようにサーメルと一緒に寝たり、遊んだり、抱擁したり、抱っこしたり、
そんなことが一切できなくなるんだろうか、
甘えて角をこつんとぶつけてくるなんてことも、
呼ばれてうれしそうに傍まで走ってくることも、
まってーまってーと、耳を下げ尻尾をくるくる回して追いかけてくることも、
チューしてねと耳元をそっと私たちの顔に寄せてくることも、
そんなことももうなくなるんだろうか。。

そんなことを考えながら離れたところで様子を見ている私たちの前で、
サーメルが執拗にダマーニを追いかけはじめました。
お尻の匂いをかぎながら、まるで「ちょっと、ちょっと」とか
「もしもし」とでもいうように、前片足をあげます。
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時には後ろ両足で立ち上がってダマーニのお尻に自分の体をぶつけます。
実はこれら行為も今にはじまったわけではないのです。
思い出したように、ちょろっとやることもあるのですが、
一番頻繁に見られたのは半年前、今年の1月頃でした。それはそれは
しつこくダマーニを追い掛け回して立ち上がります。
もしかして、子作りシーズンなのか?とその時は思ったのですが、
ダマーニはその頃まだ成熟していなかったのか、ぜんぜんその気がないようで、
しっぽでキュッとお尻を隠して、サーメルから逃げていきました。
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             左がダマーニ、右は無防備なサーメルのお尻

逃げるだけではなく、お尻につきまとうしつこいサーメルの顔を
尻尾でぴしぴし叩くこともあります。
また時には「やめてちょうだいっ」と頭突きをするので、サーメルはダマーニが
振り返るたび、ひ~ごめんなさい~とでもいうようにお尻を下げて、
へっぴり腰というのがぴったりの格好でよそよそ逃げます。その様子が、
かわいいやら情けないやら。
男同士、その気持ちがわかる相方さまは、かわいそうで仕方がなかった
ようですが・・・。
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       頭突きをくらわしておいて、「ごめんね~」とサーメルの体を
       舐めまわす、かわいい魔性の女ダマーニ。

こういうときのサーメルは、これまたちょっとかわいい且つ情けない高目の
声をビィ~びぃ~と出します。まるで「どう?そろそろ子供作りませんか~」と
お伺いをたてるように前片足をあげ、体中舐めたり、横腹に顔をうずめてみたりして
サーメルなりに色々試みてダマーニに迫るのですが、
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時には片足を上げる勢いがありすぎて、ボカッと音がするほど、
ダマーニのおなかを強く叩きつけたりすることも。
「サーメルは女性の扱いがいまひとつだよねぇ・・」
「それにしてもやさしすぎるよね~。もうちょっと強引でもいいのにねー」と
息子の女性の扱いに今ひとつ不安な私達。

しかしこの日のサーメルはまったく無言。
黙々とひたすらダマーニの後ろを追いかけます。お伺いなどたてません。
ダマーニはというと、そろそろっと逃げるのは今までと変わらないのですが、
これまでのようにサーメルに頭突きをして拒否する様子はありません。
しかもふと見ると、尻尾をあげています。時にサーメルが近づくと足を微妙に
開いているときもあります。

これはもしかして、もしかすると、ついにそういうシーズンなのか?

ーと別のサーメル豹変原因がここで浮かんできたのです。
シーズンの為の、生理的なものによる変化なんじゃないかと。

羊がやはりそうで、子作りシーズンに達すると雄はとても攻撃的になり、
他の羊を攻撃する、人間を攻撃する。。と急変し(動物の大方がそうじゃないかと
思いますが)、それは一時的なもので、3・4日もすると元にころっと
戻るんだとか。もしかしたらサーメルもそれではないかと、この日の様子から
相方さまは考えたのですが、あくまでも羊の話。
ガゼルもそうなのかは相方さまにもわかりません。もしそうであっても、
いったいそれがどれくらい続くのかもわかりません。一時的なのか、
永遠なのかもわかりません。それに今までのサーメルの変化の仕方を考えると、
今ひとつその説がしっくりこないという思いもありました。
でも、できればそうであって欲しい、どうかこれが
短い一時的なものであって欲しいと、思わずにいられませんでした。


さて、しばらく様子を見ていた私たちは、明らかにいままでとは違う二匹の様子に、
いよいよダマーニにその準備ができたのだと確信を持ちます。
一部始終見ていたい私に相方さまは、
「囲いに入れよう。二匹にしてあげたほうがいい」と言うので、
私たちが見ていようがいまいが関係ないんじゃないかと私は笑ったのですが、
相方さまは真剣。意外と繊細なことに気が効くようで。

そうしているうち、サーメルがダマーニを追いかけながら、
自分達で囲いの中に入って行きます。相方さまのサーメルたちへの配慮など
放って、慌ててカメラをとりに家に戻ります。壁越しに二匹の様子を見ていた私達。
無言でダマーニを追いかけるサーメルには、鬼気迫るものさえ感じます。
追いかけられるダマーニも、嫌なら広いところに逃げていけばいいもの、
狭いところをいったり来たり。
なにが起こるのか、ビデオをまわし続ける私。
邪魔はしないように、相方さまも私も音をたてず、声も出さず
息を殺して見つめます。

すると今までみたことのない勢いで、体というか、腰というか、
ダマーニに押し付けるように「おりゃっ」っとサーメルが立ち上がりました。
相方さまも私も「おおおおっ~!」と声にならない声を思わずあげます。
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              これはその前の失敗(?)時の写真。
              この世に生命を生み出す神聖な行為デス。

ーと、ダマーニだけでなく、なんだかお下品な言い回しですが
やった本人サーメルも、なにが起こったよくわからなかったかのように
それぞれに一方向をみつめたままボーゼンとしてしまいました。
お互い初めてのことにびっくりしたんだろうか・・と、サーメルとダマーニの
心境に想像を膨らませ、その様子がおかしくて二人笑い声を出しそうになるのを
こらえます。もっと見ていたかったのですが、
二人のプライバシーを主張する相方さまにお尻を押され
仕方なく家に入りました。


待ちに待った子作りが始まり、一部始終をみて興奮した私達。
(そういう興奮じゃなくて、純粋な興奮です。)
でも生理的、生態的に考えると、この時サーメルとダマーニが目的達成したとは
思えない、つまりもうちょっと率直にいいますれば
サーメルさんの“もの”が、ダマーニには届いていないというのが私達二人の
統一した見解でした。でもシーズンピークであることは間違いありません。

こうして若いもの二人きりにして数時間たったお昼過ぎ、
そろそろ眠い頃じゃないかと、いつものように覗きに行くと
座ってうとうとしているサーメルとダマーニがいました。
サーメルの横にそっと座ると、やはりもそっと立ち上がって離れていきます。
やっぱりダメかぁとため息をつきながら、ふとダマーニをみると、
尻尾を時々動かしています。ハエ等を追い払うときには寝ていても
動かすことがありますが、どうも様子が違うなぁとなんとなく気になりました。
よく見ると、お尻の下の砂が、水滴が何粒か落ちたように濡れているのです。

あまり近づいて驚かしてはいけないと思い、ダマーニが立ち上がるまで
待っていると、そこへサーメルが来てダマーニのお尻に回った為、
砂がくずれて水滴の跡がみえなくなってしまいました。
あああ~と思いながら、もう一度目を凝らして見ていると、
ダマーニのお尻から、透明の液がつつーっと垂れて来たのです。
一度だけでしたが、おしっこと違うことは明らかでした。

しばしダマーニのお尻に見入っていると、サーメルが私に近づいてきました。
じっと動かずに待ちます。少し緊張した顔でゆっくり傍まで来て、夢中で
何かを確認するように、頭から体、足の先までふがふがと匂いを嗅ぐサーメル。
匂いを嗅ぎ終わって少し安心したように見えたので、そっと近寄ってみました。
すると、とてもても落ち着いた様子なのです。
体にチュッとしてから家に戻りました。

あのダマーニのお尻から垂れた液体がなんだったのか
いまだよくわかりません。
人間は女性生理期間中は、基本的には妊娠は不可能な期間ですが、
ワンコの雌は生理期間は出血し、その間、もしくはそれ以後
数週間が妊娠可能期間になると言われています。
らくだは生理期間、黄色い体液用のものがでるそうですが、妊娠可能期間は
その前後と言われているそうです。
ガゼルも哺乳類、ダマーニにもおそらく同様に何か変化があるはずなのですが、
この液体がそうだったのか、それともサーメルが事を終えたその残物
だったのか・・・。
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         こうしてみると、半年前はまだ幼顔の「女の子」

私の匂いを嗅いだ後落ち着いた様子を見せたサーメルに、
「やはり豹変は子作りシーズンが原因だったんだ、で、そのピークを今朝迎えて、
このまま以前のサーメルにもどっていくんだなきっと。」-と、気持ちがちょっぴり
軽くなっていきました。
しかし、その見当はまったくはずれます。その日の夕方、
ついにサーメルの豹変は、まったく手に負えないものになりました。
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次回へ続く・・。
by hanamomoact | 2006-08-09 22:11 | サーメル野生児週間

続「覚え書き」ちょっと長い第1章:               「試行錯誤は続くよ続くよどこまでも」

7月15日。
この日もサーメルのおかしな様子は続きます。
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この日のサーメル

朝、私がサーメルたちを庭に出してみます。
ドアから呼ぶと、ちょっと緊張した顔と歩き方で
サーメルは私の横をすりぬけて庭に出ていきました。

そこからはしばし何事もなく、まったく普通のサーメルに見えたので
おいしそうに食べていた木の皮の残りを手にし、
サーメルに近づいていきました。
ーと、くるっと向きを変え、姿勢を低くしてにらむように
やっぱり攻撃態勢になるのです。
仕方なく離れたところでサーメルを見ることにしたのですが、
朝から出るのはため息ばかり。

相方さまが庭にやってきます。
でも相方さまにはなんでもないんですね。
これはもう私に対して何かあるんだとしか思えません。
いったい私の何が気に入らないのか・・。
前日同様常に攻撃してくるわけではないので、一応気をつけながら
相方さまがでかけた後も庭で一人、
この先いったいどうなっちゃうんだろうかと、暗い気持ちで、
ぼーっとサーメルを見ていました。

職人さんがいつもより少し早めに仕事を始めました。
職人さんの出入りが激しいので、サーメルたちは庭の一部だけ
自由に行き来できるようになっています。
その囲いの外を職人さんが、キーキーと、転びの悪い一輪車を押して
歩きはじめました。嫌な予感はしたのですが、やはりサーメルはそれに反応、
目の色をかえて囲いを行ったり来たりし始めます。
止めようのない興奮状態です。
しかたがないので、それが収まるまでかなり遠く離れたところで
座ってみていました。
ーと、職人さんが何か大きなものを地におろしたので、ドスンと
とても大きな音がしたのです。それにびっくりして逃げようと振り返った
サーメルと、15メートルほど離れたところでぼーっとサーメルを見ていた
私の目がぴったっと合いました。その瞬間「来る!」と直感です。

案の定サーメルはそのまま私に突進。
文字通り一直線。ガゼルの猪突猛進です。
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            本気で走ると、むちゃくちゃ速い。

その勢いとあの目は忘れられません。
距離が少しあったので、立ち上がって構える一瞬の間があり、
サーメルの角を正面から受け握ります。

そこで数日前に成功した時と同じように叱ってみます。が、
これがダメどころか逆効果。
さらにサーメルは興奮、収拾がつかなくなりました。
離せとばかりにサーメルは暴れます。
離せばそのまま私に向かってくることが予測できます。
角から手を離すわけにいきません。
しばし格闘、私は汗だく、サーメルも口をあけて喘いでいます。
このままではサーメルがばててしまうので、
なんとか囲いに連れて行くしかないと、角をもって引きずっていきました。
囲いに入れて、ちょっと向きをかえて離すと、そのままダッシュで
遠ざかっていきます。ゼーゼー言いながらボーゼンとする私。

この日サーメルを正面から受けた腕は、後日筋肉痛になりました。
それほど強く、手加減のない体当たりでした。

ダマーニが後ろから追って囲いに入ってきたので、
ドアをしめてサーメルの様子を伺いに行きます。
また向かってくる可能性もありましたが、一緒に生活しているのです、
ここで引いているわけにはいきません。
それに、今までのサーメルとの時間が
このままサーメルと離れてはいけないと私を後押しします。
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サーメルは水を飲んでいました。その後ろにゆっくり近づいていきますが、
これまた驚くほどにまったく普通なのです。横に座ってサーメルの顔を
眺めます。まるでさっきのできごとなんてなかったがごとく、
いつもの平和な時間です。まったくさーいったいなんなのよ~と
サーメルのおしりをつつきながら愚痴ります。

大格闘後、水を飲んで冷静になったサーメルの前をダマーニが横切りました。
すると、ふらふらっと釣られるように、ダマーニのお尻の匂いをかぎながら
サーメルがついて歩いていきます。
続いてダマーニのお尻を口でつんつんと突付きました。
それに刺激されるようにダマーニがおしっこをします。
その匂いをかいで口をあけるサーメル。
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サーメルはこの行為を時々やります。ダマーニがおしっこをしている最中、
お尻に顔を近づけてダマーニのお尻の匂い、もしくはおしっこの匂いを
嗅ぐのです。そして、「はぁ~」と言わんばかりに、ぱかっと口をあけます。
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特に正面から見るとこれがけっこう情けない顔。
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らくだも、新しく生まれた赤ちゃんに寄ってきて同じように匂いをかいで、
ぱかーっと口をあけます。
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母ラクダも、赤ちゃんラクダがおしっこしている最中、
お尻の匂いをかいで口をあけます。
なんでしょう、何かを確認しているのだと思いますが。

サーメルの場合、ダマーニがたまたま目の前でおしっこをしたとき、
匂いをかぐ時もあれば、ブィブィいいながらお尻を口でつっつき
ダマーニのおしっこを誘って(というか、おしっこをするタイミングで
そうするのかもしれませんが)、その匂いを嗅ぐときもあります。
この日はその後者だったのですが、
このとき「あれ?いつもより口をあけている時間が随分長いな」と思ったのです。
なんとなく思ったことではありましたが、どうやら実は大事な変化の
兆候だったのかもしれないと後に振り返って知りました。

なにしろ初めてのできごとに、どれもこれも
「今思えば、あれは・・」ということばかりです。

この前の日から、サーメルはダマーニの体や耳の中を舐めたり、
毛をひっぱてみたりと、頻繁にちょっかいを出しました。
いままでそんなことがまったくなかったわけではないので、
特別なこととはあまり感じず、ビデオを撮ったりしてかわいいなぁと
思う程度でしたが、思いかえしてみると随分しつこい2日間でした。
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またこの日ダマーニは未だかつてないほどよく寝ました。
朝、庭で草を食べていたダマーニがふらっと庭の隅っこで座ってしまい、
今までなかったことに驚いたのですが、元気もあるし、食欲もあるし、
まぁ昨夜猫が来たかサーメルに邪魔されたかでよく寝れなかったのかな、
なんて言っていたのですが、この日はその後朝に限らず昼間も、
いつもより深く長く眠る様子が見られました。
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            ご心配なく、生きております。

昼間、ちょっとどきどきしながらも
サーメルたちをいつものように覗きにいき隣に座ります。
やはりサーメルは、先日よりももっと緊張した顔で立ち上がりました。
と、私から離れていったサーメルが、寝ているダマーニのところにいき、
耳の毛をひっぱったり舐めたりし始めます。
いつもでしたら、それで立ち上がるダマーニなのですが、
少し顔をふって嫌がっただけで、体を丸めて寝続けます。
もう眠くて眠くて仕方がないといった感じなのです。
以前体調が悪くて丸まって寝た時とは様子が違うので、さして気にせず、
少し離れたところからふたりをしばらく見たあと、
後ろからいきなり攻撃してはこないかと、振り返り振り返り
そこを後にし家に戻りました。

このとき、自分の中に芽生えてくる「サーメルに近づくのが怖い」という
気持ちが情けないやら悲しいやらで仕方がありませんでした。
角で不意打ちに攻撃されたら怪我をする・・という怖さもありますが、
向かってきたサーメルの体を受けても、この日のようにそのあと収拾が
つかなくなったら・・、
そういうパニックが重なって、サーメルがさらに離れていくきっかけに
なってしまったら・・、
なら腫れ物を触るが如く、遠くから見るだけで、静かにすごしたほうが
いいんじゃないか・・
でも、ということは、サーメルとずっとそんな距離で生活しなくては
いけないんだろうか・・・
それらがぐるぐる頭を回ります。

相方さまにこの日の出来事を離すと、格闘とその後急に普通に戻った
サーメルの話に、
「脳の病気なんかじゃないといいけど・・」
と言い出します。
以前ちらっと書いたことがありますが、サーメルはビタミンB欠乏による
神経障害になったことがあります。そのときに脳にダメージを受けて、
ときどき記憶が錯誤するんじゃないかと言うのです。
はじめは冗談かと笑っていた私も、色々考えるとなきにしもあらずか・・と
不安になります。
これまた前回の「膝当てライオン原因説」同様に、後日談としては
かなり笑える話なのですが、当時の私たちは大変まじめ、
かなり混乱していたのです。
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            お脳に障害?

この日の夕方も同じように不安定な様子をみせました。
ただ少し違ったのは、いままで私だけに向けられていたように思えた
おかしな様子が、相方さまに対してもちらちら出始めたのです。
角で木をがりがりやっているところに、相方さまが近づくと
くるっと振り返って、おかしな目で頭を低くして構えます。

このときの私たちに、
ワンコ・職人さん・膝当てのライオン・脳の障害とは別の
サーメルの豹変原因浮かびました。

「人間から離れていく年齢になってきて、その兆候ではないか」

HP本館に以前書いたことがあるのですが、ずっと以前、
相方さまは友人から「ガゼルは大人になったら人間から離れていく」
という話を聞いてきたことがあります。
そんな可能性もあるんだろうかと思っていたのはずっと前の話で、
これだけいつも一緒にいますし、外見上大人になってからも
まったくそんな様子をみせることはなかったので、
そんなことは起こらないという自信がどこか私たちにはありました。
まさに「うちの子に限って」。
ただこうなると、その可能性から目をそむけるわけに
いかなくなってきます。
確かにどれもこれもそういわれてみると理にかなうのです。
まずは職人さんから離れ、次に私から離れ、最終的に一番近かった
相方さまから離れ・・・。

さて、もしそうだったらどうしたらいいのか。
どうなっていくのか。

相方さまは、とにかく危険なことだけはさせてはいけないので、
もし向かってくるようなことがあるならば、しっかり叱り付けて
サーメルに覚えさせたほうがいい、
それでも、こういうことが続くようなら危険なので、サーメルの角は
切ろうと言います。羊の雄は角を切られることで闘争心が
削がれるのだそうです。そうしてみていくしかないというのが
相方さまの考え方でした。


余談ですが、角を切る話は、サーメルが小さい頃から出ていました。
攻撃ということは考えていませんでしたが、
本人ならず本ガゼルが遊んでいるつもりでも鋭利で危ないので
念の為切ったほうがいいと、相方さまはよく言っていたのです。
そのときはそれに反対した私。とりあえず、
1時間弱離れたザ・ダイソーに売っているなんて思いもせずに
日本からわざわざ送ってもらった本格包丁研石(重たい)で、
がりがり角先を削りました。
ちなみにその研石、未だサーメルの角研ぎにしか活躍していません。
ごめんなさい妹。
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角のワッカは11個になりました。只今12個目成長中。


角を切るのは最終手段として考えることとし、
厳しく当たるという相方さまの方法が、私にはどうしても
今のサーメルには適していないように思えて仕方がありませんでした。
もともと臆病な草食動物に、更なる恐怖心を与えたりする方法では
状況が悪化するだけではなく、サーメルとの関係が取り返しつかないものに
なるんじゃないか、というのが私の考えです。
あまり刺激をせずに、でもできるだけ近くにいる時間を長くもつように
したらどうかと提案します。
角で木をがりがりやったり、まだ幼い木の葉を食べるときは
どうしてもそれを止めなくてはならず、サーメルを刺激することに
なるので、木を守る囲いをとにかくすぐに作り、
またたとえサーメルが攻撃的な態勢をとったとしても、
大きな声でサーメルを叱ったりしないほうがいいんじゃないかと
相方さまに話しました。

「考えはわかるけど、でもさー」と
お互いがお互いの考えに納得できず、統一した考えに到達しません。
「なんかさー、反抗期の子供の育児について頭を痛めてる
親みたいだよね~」と二人で苦笑いです。

そう言ってから気がついたのですが、そういえば
サーメルがおかしくなり始めた頃ちょっと気になったことが
ありました。
庭の壁づたいに木を植えてあります。サーメルはその花を食べるのが
好きで、、高くて届かないところは、枝を引き寄せてあげると
嬉しそうに食べるのです。
「すごい過保護だよね~」とお互いからかいながら、相方さまや
私は、端から端まで順々に花を食べて歩くサーメルの後ろについて
食べやすいように、枝を引き寄せて歩きました。
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それが、ここ数日前から食べようとする花に手をかけると
「やっぱりやめた」とそっぽを向き、隣の木の花を
自分で採って食べます。高いところにある花を食べようとしているので
また手を出すと、すっと離れます。
まるで「余計なこと、しないでくれる?」と言っているようでした。

そんなことを思うと、ますます思春期の難しいお年頃の子供と重なり、
やはりサーメルは親離れするする年頃に成長して、これを機会に
親かもしくは家族のようだった私達からどんどん離れていくんだろか、と
「サーメルの豹変お年頃説」の可能性がぐっと膨らみます。

この日、サーメルの様子に落ち込んでいる話を日本の家族にすると、
「保育園のお散歩で拾って持って帰って来たさくらんぼに、
母親になってよかったと感動して、この先どんな反抗期が来ようとも
この日を思い出して子供をかわいいと思うように、どんなことがあっても
子供は永遠にかわいいものなのよ。お母さんもそうよ。
まぁそのうち元に戻るって、大丈夫よ」と
今ではすっかり“母親”をしている私の妹に最近起こったできごとと、
今母が持つちょっとした苦悩を引き合いに慰めらます。
確かにどんなに離れていっても、あんな目で見られても、膝から血を流しても、
サーメルがかわいいという気持ちには変わりはないものなぁとしみじみ。
いよいよもって育児に悩む親の気持ちです。
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私たちにぴったりで砂漠を散歩したサーメル生後6ヶ月頃。
@有坂家Mマンさん撮影

こうして、試行錯誤でもやもやしたまま長い長い一日が終わり、
これといった対策も浮かばないまま重たい気持ちで次の日を迎えます。
そこではまた新しい展開が待っていました。

次回へ続く・・。


(おまけ)6ヶ月頃。
角が生えてきて、小悪魔くんみたいなサーメル。
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by hanamomoact | 2006-08-04 21:11 | サーメル野生児週間

「覚え書き」 序章。

最近UAEで、どこぞやのお金持ちが飼っていたトラが
訓練師を襲い、コントロールができなくなって
銃殺されたという出来事ありました。またちょっと前には
アメリカのテレビで、飼っていたトラだかライオンだかに
自分の娘をかみ殺されてしまったという父親のインタビューを
やっていました。そのトラだかライオンも殺されたそうです。
また日本ではないけれど、知人が雄の鹿を飼っていて、急に人間を
襲うようになったのでその知人が鹿を殺してしまったと言う話を
メールを下さった方から聞いたこともあります。

責めるは人間を襲った動物ではなくて、本来野生である動物を
飼うことの覚悟と準備をしていなかった当の人間のはずなのに、
本来の生き方とは違う生き方を強いているということから
目をそむけ、自分の手に負えない状態になったからと
殺してしまうー
そういう話を聞くたび、一番の犠牲者は動物だと、悲しいだけとは
また違うなんとも表現のしようのない気持ちになるのです。


ーというのが、今までの私のスタンス。
んが、なるほど、基本的な考え方はまったくかわらないけれど
準備や覚悟をしていず、動物の突然の反逆に見える行為に遭遇した時は
こんな風に衝撃的な思いだったにちがいないと、
パニックになる人間側の気持ちを理解するできごとに
でくわすことになりました。
心を痛めるレバノンーイスラエル問題しかり、
何事にも物事は一面だけでないものなのだよなと、改めて気づいたりして。
まぁそんなことは話の本筋じゃぜんぜんないんですが。

じゃぁ話の本筋はなんなのかということですが、前フリからもわかるように
我が家のことですから、二足歩行動物(人間)の話題のわけがないわけで、
じゃぁどの四足歩行の話かといいますと、
どの四足歩行よりも長い時間をともにしている
サーメルの話になります。
この話に題をつけるとしたら、「うちの子に限って・・!!」
これ以上私たちの気持ちを表す言葉はないんじゃないかと。
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野生動物を飼うということはこういうことなのかと今回
サーメルにがっつり教えられました。ですのでこの機会に
その経験を覚書として書いておこうかと思い立った次第でございます。

実はおろおろするばかりだった私は、冷静に記録にとどめておこうと
思いが及ぶまでに時間がかかりました。
といっても、振り返れば、ことがはじまってから
記録しておこうと思いたつまで、ほんの数日のことなのですが、
カレンダーを見て過ごすことのない生活をしていると、混乱していたとはいえ、
それが昨日だったか、一昨日だったのか、こうも思い出せないものなのかと
ちょっと愕然といたします。。

ま、そんなことはどーでもいいのですが、
話は7月10日にさかのぼります。


前回の更新時にちらっと書きましたが、
わんこのティーニーとタイニーが我が家に来てから、
突然サーメルが幼児ガエリをしました。
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ガゼルの幼児ガエリってなんぞやという話ですが、
サーメルが2・3ヶ月のまだちっちゃい頃は
ほとんどが外での生活でした。小さな囲いがサーメルの居場所だったのですが、
相方さまがでかけるたびに、また帰って来た気配を感じるたびに
ブぃーブぃーとよく呼びました。
大人になってからは、そうやって鳴くことは幼少時ほど頻繁では
なくなったのですが、
わんこたちが来てからは、驚くほどに激しくなりました。

ちょっと姿が見えなくなっただけで、通常のブぃーブぃーではなく
なんでしょう、この世の終わりですかいなーというくらい、聞いていても
切なくなるような、ばぁぁぁぁー(切ない?)という鳴き方をするのです。
またそれまでは、私がいなくてもそんなに気にする様子をみせなかった
サーメルが、相方さまを呼ぶほどでないにしても、私を呼ぶようになりました。
みんなそろっていないとサーメルは落ち着かないのです。
みんなそろって庭にいればどうやら安心するらしく、鳴くことはないのですが、
庭で草を食べる時は、ほとんどが相方さまの傍です。
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夜も一緒に家に入りたいと、家に戻ろうとする私たちに
くっついて離れません。
まぁそれを私たちはサーメルの幼児ガエリと呼んでいるわけですが、
それが、7月10日、ぴたっと止まります。まさに「ピタッ」。
前日まで激しかったのに、その日の朝は相方さまがでかけても鳴かず、
丸一日まったくうんでもすんでもぶぃでもないわけです。
それと同時にダマーニのお尻の匂いをかぐ様子を
見せるようになりました。

ダマーニのお尻の匂いを嗅ぐのは、以前から突然思い出したように時々
やったのですが、
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幼児ガエリ中はダマーニに見向きもしなかったサーメルでしたので、
幼児ガエリ終わったのかぁ、わんこたちの匂いとか生活ペースとか
慣れてきたんだねぇきっと、甘えなくなるとちょっと物足りないね~。
なんてのんきに言っていた私たちだったのですが、次の日、
びっくりするようなことが起こるのです。

夕方、いつものようにサーメルたちの囲いに連れて行った相方さまを追って、
私はあとから囲いに入りました。日はとっくに沈んでやや薄暗くなりはじめた
時間でした。ドアへ行くのが遠回りだったので、
塀を乗り越えながら「さ~める~だま~に~」と声をかけると、
サーメルがくるっと振り返ります。しかしその目が普通ではないのです。
あれ?と思った瞬間、サーメルは勢いよく砂丘に登ったかと思うと、
そのままの勢いで砂丘を下りながら、私めがけて突進してきました。
振り返った時点で目つきがぜんぜん違ったので、こりゃおかしいと
構えていたのが幸いし、サーメルの角を捕まえることができたので、
怪我はしませんでしたが、遊ぶときとは全然違う、敵対心丸出しのサーメルに
慌てて走り寄ってきた相方さま。サーメルの角をがっとつかむと、
私から離れたところに引きずっていって
「ダメっ!!」と大きな声を出しながら、手に持っていた小枝でピシッと
サーメルのお尻を叩きます。

ここまで大胆に敵視したようにサーメルが角で攻撃してきたのは
初めてでしたが、どうしたわけかサーメルの大好きな麦を持って、
お皿にいれようと歩いていると、突然つっかかってきたことが
以前実は何度かありました
この原因がどうしてもいまだつかめないでいるのですが、
相方さまは、「ここはびしっと厳しくしからないとダメ」と
すごい勢いでサーメルを怒ります。私はわんこならともかく、
果たしてガゼルにそれが効くのか、ちゃんと理解できるのか
恐怖心を与えるだけではないかと自信がなく、
そこまで厳しくできず、ちょっとだらしがないところがありました。

相方さまに叱られ、相方さまを見上げたまま
きっとガゼルを初めて見た人にもわかるんじゃないかと思うほどに、
それはそれは悲しい顔をみせるサーメル。
でも、その一喝が効いたのか、目が覚めたようにもとのサーメルに戻り、
その後寝るまでなにごともなかったかのごとく、みんなで楽しく
時間を過ごしました。
いったいなんだったんだろうね~、原因をさぐらないとねー
と言いながらも、まさかこんなのは序の口で、次の日はさらに
えらいことになるなんて思いもせずに、その日は就寝したのでした。

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食べちゃだめだっていうのに、新しい木の葉を
食べてへへーんと得意気なサーメル。
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とても穏やかな顔のサーメル。
両方とも10日に撮影。


7月12日

朝、相方さまが先にサーメルたちを庭に出します。私はといえば
先日のできごとなんぞすっかりあたまから抜け、
ティーニーとタイニーの散歩とご飯を終えて後から合流しました。

囲いのドアを開けて、相方さまからちょっと離れて草を食べていたサーメルに
「サーメル~おはよ~」と近づいていきます。
ーといきなりくるっと振り返ったかと思うと、そのままの勢いで
これまた突撃されたのです。
このときは距離も近く、全くの予想外のことに心も体も準備がなかったため、
その勢いを防ぎきれず、サーメルはそのまま私の足に激突、頭は私の足を強打。
幸い私の足の幅がサーメルの左右の角の間とさほどかわらなかったので、
膝頭はサーメルの頭にぶつかり、角は私の膝の左右をかすめていきました。
ただ先が内側に曲がった角にぴったりサイズでなかった私の足は、
無傷と言うわけにはいかず、膝左はかすり傷ですんだものの、
膝右側はかなり深く切れました。

深い傷はたまたま痛点のない場所だったのか、血も出ているのに
不思議と痛みがまったくなく、どちらかというと慌てて出した手に
角の先がぶつかり、そのときにできた小さい小さい傷のほうがひりひりと
痛かったのですが、でもそんな体の傷よりも、非常にありきたりの
セリフではありますが、心の傷のほうが大変大きく、大変痛かったので
ありました。
昨日に引き続き今日。それも私だけ。いったいどうしちゃったのか
悲しくて泣けてくるのです。

傷の手当てをして相方さまとふたりでサーメルたちのところに戻ると、
ちょっとよそよそしい感じをうけはしましたが、
近づいて、いつものごとく耳元や体にチュッとすると
まったくいつものサーメルです。混乱するばかりの私たちでした。


蛇足というか私信というか、のんたさん、キズパワーパッド、すごい。
よく効きました。日本から買ってきて結構経ちますが
やっと日の目をみたキズパワーパッドです。


さて、相方さまと緊急会議です。
当然会議議題は「いったい何がサーメルにおこったのか」。
この時点で考え付いたのは以下のことでした。
1、わんこのことで非常に精神不安定になっている
2、職人さんたちが屋根作業をするようになり、見えるところの
  人の往来が激しくて恐怖心で情緒不安定になっている
3、着ている物が悪かった

この3番目を説明いたしますと、前日の夕方、そしてこの日と
私は膝宛のあるズボンを履いていました。サーメルがまだ小さい頃、
膝をつけて遊んだときにできたズボンの穴に、実家の母が
つけてくれたものです。これがライオンの絵なんですね。
今思えば笑い話なわけですが、当の私たちは、そりゃそりゃ真剣です。
もしかしたらライオンの絵が気に入らなかったのかもしれないから
明日からライオンの膝宛がついたズボンはサーメルの前で
履かないようにしようなどと、本気で二人で考えたわけです。
いやほんと、今書きながらも笑っちゃうんですが。
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膝の草食動物の天敵ライオン。













1のわんこについては、慣れてもらうしかありません。
2の可能性も考えて、職人さん達が働き始める時間には
囲いの中に戻すようにすることにしました。
サーメルがもし危険な行為をするようならやはり
厳しく叱らないとダメだと、ここに来てもまだ迷う私に相方さまは
らくだの例をとって説明します。

と、そんな会議中、サーメルが木の枝を角でがりがりやり始めました。
これ、角が生えてきて根元が痒いのか、それとも単に遊んでいるのか
よくやるのですが、木によっては折れてしまうので、
ダメ!と遠くからでも声をかければ、そろそろっと離れていきます。
それでも続けるようなら、「ダメだよ~」と
ちょっとお尻を押すと木から離れていくのです。

声をかけてもだめだったので、いつものようにお尻を押す為近づいていくと、
これまた急に振り返って戦闘態勢で向かってくるのです。
今度は私もがっつり心の準備していたので、角を掴むことができ、
思い切って厳しく叱りました。
このときはそれでサーメルが元に戻ったのです。なるほど
こういうのもときに必要なのかと思ったのですが、この方法が
効いたのはこのときが最初で最後となりました。

次の日日本からのお客様が我が家に来ることになりました。
残念ながら塀越しの対面です。かわいいといってもらいとても嬉しかった
私たちですが、お客様を見る目もどこかおかしいと相方さまも私も
思っていました。

ちなみにこうしてサーメルがなにか変化をしている間、
ダマーニはいたって普通。なんの変化もないように私たちの目には
そう見えました。でも実はそうではなく、この「我関せずヨン」の
顔をしていたダマーニの、目に見えない変化こそがサーメルの豹変に大きく
関係していたんだと、あとあとになってからわかることになります。
e0066474_217086.jpg
「私がなにか?」


サーメルとダマーニの一日は、早朝庭に出て、
天気が穏やかなときには午前中にもう一度庭に出て、
お昼は影で昼寝をし、3時頃起きてもそもそ食べたりうろうろしたり、
夕方5時半頃から暗くなるまで庭に出る・・というのが
通常です。
昼寝している時間に、私はちょこちょこ覗きに行き、
一緒にうとうとしてみたり、隣で本を読んでみたりしていました。

いつものように、寝ているところを驚かさないように声をかけながら
囲いに入っていき、座っているサーメルの横に腰掛けました。
すると間もなく緊張した面持ちでサーメルが立ち上がります。
眠いせいなのか、突進してくるような様子はみられませんが
なにかそわそわして、そろっと私から離れていきます。
ゆっくりおそるおそるサーメルに近づき、体にチュッとやってみるのですが
顔も体もまるで初対面の人に見せるような様子のサーメルに、
なんとも落ち込む思いで、なんだか一人、ぽろぽろ泣けてしまいました。
e0066474_2172026.jpg


次回へ続く・・。
by hanamomoact | 2006-07-27 21:13 | サーメル野生児週間


UAEでの生活。家族はガゼル・犬・鳩・馬・猫・ラクダ・牛・山羊・・・+オットの相方さま。


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色も模様もとても魅力的なトルコの装飾タイル。それをトルコのイスタンブルで制作している日本の方がいたとは。素敵な作品の数々、タイルの知識、トルコの魅力、イロイロ満載です。
-イスタンブル発-トルコタイル通信



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